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検査データの読み方

1)血球検査

これは皆さんが最もよく耳にされる白血球、赤血球、血小板などの血液の血球成分検査です。それぞれの意味、意義は多種多様に渡りますが、膠原病・リウマチ分野に限定して解説したいと思います。

白血球については一般的に感染症などにより細菌が侵入してくると、その反応により増加します。 ウイルス感染症の場合は白血球が逆に減少するケースもありますが、肺炎や急性虫垂炎(いわゆる盲腸)などでは白血球10.000以上に増加することがほとんどです。(正常白血球数は4.000−8.000ぐらいです)

膠原病に関しては、全身性エリテマトーデス(SLE)では活動性が増強してくると白血球数(特にリンパ球数)が低下してきます。これにはリンパ球に対する抗体が関与していると考えられていますが、まだまだ不明な点が多いです。
その他混合性結合組織病(MCTD)シェーグレン症候群でも白血球数は減少しているケースが見られます。

一方、関節リウマチ(RA)多発性筋炎などの炎症性疾患では白血球数は増加していることが多いです。後で述べます炎症反応物質(CRPなど)も強陽性のことが多いです。また治療でステロイドホルモン剤を使用していると白血球数は増加していることがほとんどですので、特にSLEの患者さんで白血球数が減少してきた時は病気が悪化してきていないかどうか十分に主治医の先生から説明を受けることが大切です。

次に赤血球数の減少はいわゆる貧血に相当しますが、慢性の炎症性疾患である膠原病においては、ほとんどの患者さんは少しぐらいの貧血状態が見られます。特に関節リウマチではその活動性に一致して鉄欠乏性貧血によく似たタイプの貧血が認められます。
リウマチの状態が改善してくると平行して貧血も改善してくることが多く、特に貧血治療は必要としません。もし急速に貧血が進行してくる時はどこかの出血を疑わねばなりません。 SLEについても鉄不足とは異なる貧血(溶血性貧血と呼ばれます)が認められることが多く、やはり病気の活動性と一致することが多いです。

血小板は止血に関する重要な血球成分で、血小板減少が特に問題となります。
SLEではやはりその活動性と一致して減少することが多く、また極端に血小板減少が認められる時は出血の心配に加えて、ある種血栓の病気の合併(抗リン脂質抗体症候群の合併)にも注意が必要です。血小板数は10万以下になってくるとSLEの活動性ありと判断します。
MCTDシェーグレン症候群でも血小板数は減少しているケースが認められます。
逆に炎症性要素の強いリウマチなどでは血小板数は増加していることが多いです。
その他の強皮症ペーチェット病などでは血球検査に特徴的な所見は認められません。

このように血球検査だけでも様々な情報を得ることができ、病気の活動性に直結することもあります。
血液検査の中で血球検査は入っていると思いますので、検査を受けられたらご自身でもチェックしてみてください。

2)炎症反応物質

体内で炎症が起こると、炎症反応物質が増加してきます。
その代表はCRP、血沈です。
CRPは肝臓で作られる物質で、正常値は0.5mg/dl以下程度です。
血沈は血液を固まらないように採取してきて、細いガラス管の中に入れておくと細胞がどんどん下に落ちてきて上澄みが残ります。
この細胞の落ち方が炎症のある方の血液では早く、その早さを調べるのが血沈です。普通の人は1時間経っても20mm以下です。

膠原病の中で特に関節リウマチでは、CRPが高値を示し(時に5.0以上にもなります)、血沈も50mm/時間以上と早くなることが多いです。
SLEでは血沈は早くなることが多いですが、普通CRPは陰性で、SLEでCRPが陽性に出ている時は感染症の合併も注意しなければなりません。一般的に膠原病では血沈は早くなりますが(慢性炎症のために)、貧血を合併していると同じく血沈が早くなりますので診断には注意が必要です。CRPは多発性筋炎ペーチェット病血管炎症候群などの活動期では陽性となりますが、その他の強皮症シェーグレン症候群MCTDなどでは通常陰性です。

3)リウマチ・膠原病関連検査

リウマチ・膠原病の診断に対して皆様は抗核抗体やリウマチ因子などの自己抗体検査の項目は今までにも聞かれたことがあるかと思います。最近ではさらに診断を確実にするための関節リウマチに特異的な検査項目として抗CCP抗体という検査が測定可能となっています。また主治医の先生とご相談ください。
さらにこのページで記載しています炎症反応物質のCRP、赤沈に加えて、関節リウマチなどで活動性が高くなるとMMP-3という炎症反応が高くなります。この項目は関節リウマチの治療効果を判定するのにもよく用います。
またリウマチ・膠原病患者様に時々合併が認められる肺の病気で間質性肺炎という疾患がありますが、その早期のマーカーとしてKL-6という検査項目があります。

以上の検査項目については、すでに良くご存知の方もおられるかと思いますが、初めて聞いたという患者様は主治医の先生とよく相談されて測定を希望されても良いかと思います。ご参考になさってください。

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