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リウマチ・膠原病における冬季対策

リウマチ・膠原病の患者さんは、一般的には関節病変を中心に冬季の寒い時期に病状が悪化することが多いですが、今の暑い時期にも色々な注意点があります。以下の点に特に注意しましょう。

1)レイノー現象

このホームページ内にも詳しく記載してありますが、膠原病患者さんにとって最も厄介で苦痛のある冬季の症状です。

寒冷刺激により手指および足先が蒼白になる症状で,冷感、しびれ、痛みなどの症状を伴います。さらに症状が進行すると指先の潰瘍などを併発し、耐え難い痛みが発生します。この本体は指先の循環障害で、膠原病の中では強皮症混合性結合組織病(MCTD)多発性筋炎などでその頻度が高いです。

毎年11月後半ぐらいから症状が出現し、3月後半ぐらいまで持続します。その予防法としては、一般的に外出時に必ず手袋を着用してもらったり、家事などで冷水ではなくお湯を使用してもらうなどの指導をしています。
しかし完全に予防することは不可能で、いかに症状を軽く、また復元時間を短くするかが最大のテーマです。そのために末梢循環改善目的の注射(プロスタグランディン製剤など)や内服薬(ビタミンE製剤、漢方、抗血小板剤など)などを使用しています。
主治医の先生とよく相談して少しでも症状を和らげる努力をしていきましょう。
またこの点についてご質問のある方はメールでご相談下さい。

2)風邪対策

膠原病患者さんにとってウイルス感染などによる風邪ひきは、病状を悪化させる可能性がありぜひとも避けたい症状です。

まず一般的には外出から帰宅後に必ずうがい、手洗いを励行することです。
次に乾燥が風邪をひきやすくする原因となりますので、できるだけ室内は加湿器などにより乾燥しすぎないように調節しましょう。それでも風邪をひくことはありますので、もしひいてしまった時はなるべく早期に風邪薬を服用して決してひどくならないようにして下さい。
今服用中のお薬と併用可能かどうかは主治医の先生とよく相談して下さい。一般的にはステロイドホルモン剤など膠原病の治療薬と風邪薬との併用は問題ありません。

次にインフルエンザ予防ワクチンの接種については賛否両論ありますが、膠原病患者さんでは免疫力が低下していることが多くインフルエンザにかかると重症化することがありますので、私は予防接種を勧めています。
かなりの量のステロイドホルモン剤を服用していると予防接種の効果が弱くなる面はありますが、今までに副作用の報告は当院については一例もなく安全性は高いと思います。 できるだけ予防接種を受けられることをお勧めします。

また最近は、地元行政から補助が受けられる肺炎球菌ワクチンの接種もおすすめしています。
このように冬季は一般の方でも病気になりやすい季節ですので、膠原病患者さんにとってはさらに細心の注意が必要となってきます。少しでも参考にして頂いて病状の悪化を防ぎましょう。

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